ハイブリッド会議を円滑にする会議室レイアウトの工夫とは?

オフィスに出社しているメンバーと、リモートで参加するメンバーが同時に関わる「ハイブリッド会議」。コロナ禍以降、多くの企業で日常的に行われるようになったこの会議スタイルですが、その一方でさまざまな課題を感じている方も多いのではないでしょうか?
「会議室にいる人の顔が見えにくい」「声が聞こえづらくて会話に入れない」「オンライン参加者の存在感が薄くなってしまう」——こうした声が多く寄せられる中で、会議の質を高めるためには、単にツールやテクノロジーを導入するだけでなく、会議室自体のレイアウトにも工夫が必要です。 本記事では、ハイブリッド会議をより円滑かつ効果的に行うための、会議室レイアウトのポイントについてご紹介します。
【目次】
1. ハイブリッド会議の課題とは?
2. 理想的な会議室レイアウトとは
3. オンラインとの一体感を高める工夫
4. 【番外編】オンライン参加者の「存在感」を可視化する工夫
5. まとめ:レイアウトの見直しで円滑なコミュニケーションを
1. ハイブリッド会議の課題とは?
まずは、ハイブリッド会議でよく挙がる課題を整理してみましょう。
・対面メンバーの顔がカメラに映らない
オンライン側からは「誰が発言しているのかわからない」「表情が読めない」といった声が聞かれます。
・音声トラブルが多い
会議室のマイクが遠く、声がうまく拾われなかったり、複数人が同時に話すことで音声が重なり、聞き取りにくくなることがあります。
・オンライン参加者が会話に入れない
対面で自然に始まる会話に、オンラインの参加者が気づけず取り残されてしまうことも少なくありません。
これらの課題を解決するには、パソコンやカメラなど機材の工夫だけでなく、「空間の使い方」に目を向けることが重要です。
2. 理想的な会議室レイアウトとは
横長レイアウトで全員が見える・聞こえる環境に
従来の会議室レイアウトでは、カメラに映る範囲が限定され、後方に座っている人の顔が見えにくくなることがあります。また、声も届きづらく、会話の流れをつかむのが難しいことも。

従来の会議室レイアウト
そこでおすすめなのが、横長レイアウト。横一列、または数列で横に広がるように座席を配置することで、以下のようなメリットがあります。
・全員の顔がカメラに映りやすくなる
オンライン側の参加者も、会議室にいる全員の表情や反応を把握しやすくなります。
・音声も均等に届きやすい
スピーカーやマイクの配置が均一になり、誰の発言も聞き取りやすくなります。
・視線が交わりやすくなる
ディスプレイを前方に配置すれば、発言者・資料・参加者同士の視線が自然に交差するため、対話がスムーズに進みます。
1.シアター形式の応用
ハイブリッド会議において多くの企業で採用され始めているのが、横長のシアター形式を応用したレイアウトです。これは従来の縦長の配置とは異なり、参加者全員が一方向(ディスプレイやカメラのある前方)に向かって横に広がる形で着席します。
この配置の最大のメリットは、「誰がどこに座っていても全員がカメラに映りやすい」という点です。オンライン参加者にとって、会議室にいるすべてのメンバーの顔が見えることで安心感が増し、議論にも積極的に参加しやすくなります。

また、この形式では大きな共有テーブルやベンチ、ソファなどを使って、よりフレキシブルでカジュアルな雰囲気を作ることも可能です。たとえば、ラウンジスペースのような空間に横長のテーブルと複数のチェアを設置すれば、堅苦しさがなくなり、自然な会話が生まれやすくなります。
さらに、ディスプレイを壁面中央に設置し、その左右にスピーカーやカメラを設置することで、参加者が視覚・聴覚の両面から情報を受け取りやすくする工夫も重要です。
2.カジュアルスペースとの融合
近年増えているのが、カジュアルなリラックス空間をミーティングスペースとして活用するスタイルです。特にクリエイティブなアイデアを求められるブレインストーミングやワークショップ形式の会議においては、従来型の堅いレイアウトでは、参加者の自由な発想や活発な意見交換が生まれにくい傾向があります。例えば、ファミレス形式のベンチや柔らかいソファを配置し、その付近にディスプレイを置くスタイルなども有効です。会議室にいるメンバーが自由な体勢で座れることで、心理的なハードルが下がり、発言が活発になります。
3.オンラインとの一体感を高める工夫
ディスプレイとカメラの戦略的な配置
ハイブリッド会議では、物理的な距離を感じさせない「心理的な一体感」が重要です。その鍵を握るのが、ディスプレイとカメラの配置設計です。具体例を見てみましょう。
通常は奥にモニタがあると、奥が上座、手前が下座となってしまうことを避け、以下の画像にあるように、 三幸ファシリティーズ株式会社の場合、あえて会議室の正面にモニタをつけず、側面につけています。この向きにたことで、上座下座を無くなり、会議室内の誰がどこに座っていても、オンライン参加者の顔が視界に入りやすくなり、自然に「画面越しの対話」から「対面での対話」のような感覚を持てるようになってフラットなデスカッションが可能になりました。

カメラに関しても、単に高性能なものを導入するだけでは不十分です。広角レンズや自動追尾機能付きのカメラを導入し、会議中に発言している人物を自動でフォーカスするようにすることで、オンライン参加者は発言者の表情や仕草を把握しやすくなり、臨場感のある会議を実現できます。
また、カメラを1台ではなく複数設置するという選択肢もあります。たとえば、前方と側面に1台ずつ設置し、システムが自動で切り替えてくれるようにすれば、より多角的な視点で会議の様子を共有することが可能になります。
4.【番外編】オンライン参加者の「存在感」を可視化する工夫
ハイブリッド会議で見落とされがちなのが、オンライン参加者の存在感の薄さです。対面メンバー同士は雑談や視線のやり取りで自然なコミュニケーションがとれますが、オンラインの人は「声を出さなければ存在を認識されない」という状態になりがちです。
この課題を解決するために、オンライン参加者の顔を常時大画面に表示することが推奨されます。できれば「ギャラリービュー(参加者全員の顔が均等に表示されるレイアウト)」を使い、発言者だけでなく参加者全員の様子が見えるようにしておくことで、誰がどのような反応をしているのかが視認しやすくなります。
また、リアクションツールやチャット欄の活用も有効です。例えば、拍手や賛同のリアクションを即座に画面に表示できるようにしたり、チャットで質問を受け付けたりすることで、発言のタイミングを待たずとも参加できる仕組みを作ることができます。
5. まとめ:レイアウトの見直しで円滑なコミュニケーションを
ハイブリッド会議が日常になった今、重要なのは「誰一人として取り残さない」環境づくりです。そのためには、パソコンやカメラなどの機器を整えるだけでなく、会議室の空間設計そのものを見直すことも必要です。
横長レイアウトを取り入れ、視認性と聞こえやすさを向上させれば、対面とオンラインの境界を感じさせない一体感のある会議が実現できます。
ぜひ、あなたのオフィスでも今回ご紹介したレイアウトの工夫を取り入れ、より快適で効果的なハイブリッド会議を目指してみてはいかがでしょうか?
監修:三幸ファシリティーズ株式会社
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